書誌情報
文学全集
渡辺淳一 恋愛小説セレクション 4野わけ
著者
あらすじ・概要
京都・聖護院の輸血センターに勤める有沢迪子は24歳の検査技師。
同じセンターの検査部長阿久津恭造とは不倫関係である。
恋人との関係が終わって心に空白を抱えていた迪子は阿久津との関係にのめりこむが、
美しい妻の存在が気になり、心ない嘘やわがままで彼を翻弄する。
そして、いつも煮え切らない態度をとる彼についに悪魔のような提案をしてしまう。
それは阿久津に妻の弟・辻村圭次との見合いのセッティングをさせることだった…。
相手の気をひきたいだけのふとした思いつきは、周囲を巻き込みながら衝撃的な結末へと突き進む。
初夏から野わけ吹く晩秋までの美しい京都を舞台にした、「京都もの」と呼ばれる著者の一連の作品の中でも初期の名作。解説は白石一文。