書誌情報
集英社オレンジ文庫
宋代鬼談中華幻想検死録
著者
あらすじ・概要
新人官吏よ、物言わぬ骸の声を聞け。数奇な縁で結ばれた人鬼主従が、死者の無念を晴らす!
かつての中国・宋の官吏任用試験・科挙に合格した心優しい青年・梨生は、地方官として赴任する道中、水鬼に転じ川に縛られた男・心怡と出会う。心怡は三年間悪事を働かず人の世で暮らせば輪廻の輪に戻ることができるといい、梨生はその見届け役として、心怡を従者に雇うことになる。だがそれ以降、梨生の目にはなぜか死者の亡霊が見えるように。新人官吏となった梨生の仕事は、任地の帳簿管理、そして県内で発見された遺体を検死すること。そんな梨生のもとに正体不明の頭蓋骨がもたらされ、同時に謎の幽鬼が姿を見せる。折しも赴任地では数ヶ月前から行方不明者が多発しているという。骨の主はなぜ殺害されたのか? 梨生は己が目に映る幽鬼の姿を足がかりに、心怡とともに謎解きに乗り出す——。声なき死者の恨みを雪ぐ、中華幻想怪奇譚!