書誌情報
集英社新書
「イスラム国」はテロの元凶ではないグローバル・ジハードという幻想
著者
あらすじ・概要
世界の街角を戦場に変えた、「負の連鎖」の正体!
各地のテロを、都合よく「後付け認定」するイスラム国。
彼らの狡猾なイメージ戦略に浮足立ち、逆上する欧米。
二〇一五年一一月のパリ同時多発テロ以降、世界各地にテロが拡散している。ダッカでは日本人七名も犠牲となった。いまや世界中の街角が「戦場」であり、我々も「標的」の一部である。それらは、中東で凶行を繰り返す「イスラム国」が裏で糸を引く、恐るべきグローバル・ジハード戦略だ……というイメージが流布しているが、果たして真実なのか?
本書は、長く中東報道に携わる著者が一連のテロを分析し、「イスラム国」の関与の有無を緻密に検証。そして、テロのグローバルな拡散は、中東情勢に誤った対応を取り続ける欧米にこそ責任があると立証する。
[著者情報]
川上泰徳(かわかみ やすのり)
一九五六年生まれ。中東ジャーナリスト。元朝日新聞記者・編集委員。カイロ、エルサレム、バグダッドに特派員として駐在し、イラク戦争や「アラブの春」を取材。中東報道で二〇〇二年度ボーン・上田記念国際記者賞を受賞。現在はエジプトを拠点に取材活動を行なう。著書に『イラク零年』(朝日新聞社)、『イスラムを生きる人びと』(岩波書店)、『中東の現場を歩く』(合同出版)、共著に『ジャーナリストはなぜ「戦場」へ行くのか』(集英社新書)など。