書誌情報
集英社文庫(日本)
家族じまい
著者
あらすじ・概要
「ママがね、ボケちゃったみたいなんだよ」
親の終活、二世帯同居、老老介護──。大人の諦観と慈愛に満ちた傑作長編。
「どうやったらこんな一行が書けるんだろう」と唸る文章が、随所に、あくまでさりげなく配される。文字通りの「文芸」。小説の素晴らしさとはこういうことかと、励まされ、胸が熱くなった。──村山由佳
第15回中央公論文芸賞受賞作
「ママがね、ボケちゃったみたいなんだよ」妹からの電話で実家の状況を知った智代。かつて横暴だった父が、母の面倒をみているという。関わり薄くいられたのも、お互いの健康あればこそだった。長男長女、墓守、責任という言葉に距離を置いてきた日々。妹は二世帯同居を考えているようだ。親孝行に名を借りた無意識の打算はないか。家族という単位と役割を、北海道を舞台に問いかける傑作長編。