書誌情報
小説/戯曲
日蝕えつきる
著者
あらすじ・概要
天明六年、来るべき皆既日蝕を背景に起きた、男と女の残酷物語。
暗黒の極限、無惨な生死を描いた、渾身の時代小説集。
女は軽井沢宿で飯盛女をしていたが、江戸に逃れて夜鷹となり、唐瘡に罹ってしまう(「千代」)。歌舞伎の戯者になることを
希う男児は、京から下り、希望とは裏腹に江戸の陰間茶屋で育てられることに(「吉弥」)。濡れ衣の人殺しで入牢した男は
覚悟の準備をしていたが、そこで地獄の光景を目にし、自らも責問を受ける(「次二」)他、鬼気迫る五つの暗黒物語。
【著者略歴】
1955年東京都生まれ。1989年『ゴッド・ブレイス物語』で第2回小説すばる新人賞を受賞しデビュー。
1998年『皆月』で第19回吉川英治文学新人賞を受賞。同年、『ゲルマニウムの夜』で第119回芥川賞を受賞。著書多数。