書誌情報
小説/戯曲
慈雨
著者
あらすじ・概要
本の雑誌が選ぶ2016年度ベスト10<第1位>
警察官を定年退職した神場智則は、妻の香代子とお遍路の旅に出た。42年の警察官人生を振り返る旅の途中で、神場は幼女殺害事件の発生を知り、動揺する。16年前、自らも捜査に加わり、犯人逮捕に至った事件と酷似していたのだ。神場の心に深い傷と悔恨を残した、あの事件に――。
かつての部下を通して捜査に関わり始めた神場は、消せない過去と向き合い始める。組織への忠誠、正義への信念……様々な思いの狭間で葛藤する元警察官が真実を追う、日本推理作家協会賞受賞作家渾身の長編ミステリー!
【著者プロフィール】
柚月裕子(ゆづき・ゆうこ)
1968年岩手県生まれ。山形県在住。2007年「待ち人」で山新文学賞入選・天賞受賞。08年『臨床真理』で第7回『このミステリーがすごい! 』大賞を受賞しデビュー。13年『検事の本懐』で第15回大藪春彦賞受賞。16年『孤狼の血』で第69回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)受賞。著書に『最後の証人』『検事の死命』『パレートの誤算』『ウツボカズラの甘い息』『あしたの君へ』など。