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書誌情報

随筆/ノンフィクション/他

ウクライナ、地下壕から届いた俳句The Wings of a Butterfly

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あらすじ・概要

「地下壕に紙飛行機や子らの春」
ウクライナ女性俳人による“戦時下の句集”刊行

ロシアによるウクライナ侵攻開始から1年以上が経過した今も、ウクライナに残り俳句を詠み続けているウラジスラバ・シモノバさん。彼女がこれまでに詠んだ俳句を句集として発刊する。

14歳の時に入院先の病院にあった本を通して俳句に触れ、俳句作りを始める。学校を卒業し、地元で就職をしたいと思っていた。そんな彼女の日常は、ロシアによる軍事侵攻で一変する。街の明かりは消え、空襲警報が鳴り、地下壕での生活は3か月に及んだ。家の目の前にミサイルが落ち、生まれ故郷・ハルキウを出ることを余儀なくされる。彼女は眼前の情景を俳句に残し続けた。いつか自身の句集を発刊することを夢見て。

ある時、彼女の作品を知った俳人・黛まどかさんとの交流が始まり、本書は生まれた。
黛まどかさんが主宰する「Haiku for Peace」プロジェクトのメンバーや趣旨に賛同したボランティアメンバーの協力により、同氏監修のもと、ウラジスラバさんの俳句は美しい「五・七・五」の日本語に訳された。

【本書に掲載された俳句】

地下壕に紙飛行機や子らの春

さくらさくら離れ離れになりゆけり

水甕の底に触れたる寒さかな

真つ青な空がミサイル落としけり

雨に転がる血まみれの小さき靴

いくたびも腕なき袖に触るる兵

街の灯の消えハルキウの星月夜
(以上、本書より抜粋)

俳句と出会った10代の頃の作品から、軍事侵攻当日、その後の戦時下の日々を詠んだ50句を収録。

俳句の他にエッセイ、著者撮影のウクライナの写真を掲載。
黛まどかさんとセルギー・コルスンスキー駐日ウクライナ特命全権大使の対談を収録。

【著者プロフィール】
ウラジスラバ・シモノバ (Vladislava Simonova)
1999年、ウクライナ・ハルキウ生まれ。プログラミングと写真撮影をたしなむ。14歳から俳句を始め、ウクライナ語とロシア語で詩を詠んでいる。第8回秋田国際俳句コンテスト (英語部門・学生) 入選、第7回日露俳句コンテスト (ロシア語部門・学生) JAL財団賞受賞。

【監修者プロフィール】
黛 まどか (まゆずみ・まどか)
俳人。神奈川県生まれ。2002年、句集『京都の恋』で第2回山本健吉文学賞受賞。2010年4月より一年間、文化庁「文化交流使」として欧州で活動。スペイン・サンティアゴ巡礼路、韓国プサン─ソウル間、四国遍路など踏破。「歩いて詠む・歩いて書く」ことをライフワークとしている。オペラの台本執筆、校歌の作詞など多方面で活躍。2021年より「世界オンライン句会」を主宰。現在、北里大学・京都橘大学・昭和女子大学客員教授。著書多数。