書誌情報
インターナショナル新書
進化論の最前線
著者
あらすじ・概要
誰も言わなかった「進化論の大問題」!
ファーブルのダーウィン進化論批判から、iPS細胞・ゲノム編集など最先端研究までを論じる。
養老孟司氏(東京大学名誉教授)推薦!
「進化をわかった気でいる人たちにぜひお勧め」
現代進化論の主流派であるネオダーウィニストたちは19世紀のファーブルの批判を、いまだ論破できていない。果たして我々は本当に進化について理解しているのか。進化論と生物学の最先端を解説する。
進化については、主流であるネオダーウィニズムでは解決できていない疑問が、いまだ数多く残されています。それに代わる理論も、まだまだいろいろな説が入り乱れているというのが現状です。本書では、そういった進化について「わかっていること」と「まだわかっていないこと」を明らかにしながら、19世紀を生きたファーブルのダーウィン進化論批判から、iPS細胞やゲノム編集といった最先端の生物研究、生物の体はどのように形成されるのか、人間が大きな脳を獲得した遺伝的要因、そして人類の未来までを、皆さんと共に考えていきたいと思います。(「まえがき」より)
(目次より)
第1章:ダーウィンとファーブル
ファーブルの進化論批判/アラメジガバチの狩り/ファーブルとダーウィンの交流……
第2章:進化論の歴史
ダーウィンとウォレスの共通点/『種の起源』は、どのような本か/自然選択説の大前提……
第3章:STAP細胞は何が問題だったのか
iPS細胞は何がすごいのか/ES細胞はそれほど驚くべき技術ではない/STAP細胞はまったくの荒唐無稽な話ではない……
第4章:ゲノム編集とは何か
医学に革命を起こす「ゲノム編集」/画期的な遺伝子改変技術「CRISPR/Cas9」/ゲノム編集の問題点……
第5章:生物のボディプラン
哺乳類は爬虫類から生まれた/哺乳類はシステムの枠内で様々な変更を行ってきた/人類がさらに進化する可能性……
第6章:DNAを失うことでヒトの脳は大きくなった
人類の脳が大きくなった原因/遺伝子の発現を調節するマイクロRNA/人類が言葉を獲得したのはいつか……
第7章:人類の進化
ネアンデルタール人と現生人類は交配していた?/言語の遺伝子と言われる「FOXP2遺伝子」/人類はほとんどクローンに近い……
著者略歴
池田清彦(いけだ・きよひこ)
生物学者、評論家。1947年、東京都生まれ。東京教育大学理学部卒業。東京都立大学大学院生物学専攻博士課程修了。山梨大学教育人間科学部教授を経て、早稲田大学国際教養学部教授。構造主義を生物学に当てはめた「構造主義生物学」を提唱。その視点を用いた科学論、社会評論なども行っている。『38億年 生物進化の旅』『「進化論」を書き換える』(共に新潮文庫)など著書多数。