書誌情報

集英社新書

韓国カルチャー 隣人の素顔と現在

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著者

著:伊東順子

あらすじ・概要

韓国カルチャーが世界で人気を得る、その理由は?

韓国人にとってのパワーワード「ヒョン(兄)」の意味は?
一般富裕層とは違う、財閥の役割とは?
挨拶がわりの「ご飯を食べましたか?」が持つ意味は?

本書で取り上げるのは、小説・映画『82年生まれ、キム・ジヨン』、ドラマ『サイコだけど大丈夫』『愛の不時着』『梨泰院クラス』『Mine』『SKYキャッスル』『賢い医師生活』、映画『南部軍』『ミナリ』『タクシー運転手 約束は海を越えて』、小説『もう死んでいる十二人の女たちと』『こびとが打ち上げた小さなボール』『野蛮なアリスさん』など……。
近年話題となった小説、ドラマ、映画などのさまざまなカルチャーから見た、韓国のリアルな姿を考察する。
【主な内容】
・キム・ジヨンはなぜ秋夕の日に憑依したか?
・治癒のための韓国料理、チャンポンとテンジャンチゲ
・日本とほぼ同時期に始まった、北朝鮮の韓流ブーム
・男の友情を南北関係に重ねる、パワーワードとしての「ヒョン(兄)」
・性的マイノリティと梨泰院
・『ミナリ』は『パラサイト』とは真逆の映画かもしれない
・財閥ファミリーの結婚
・3年前に大ヒットした、もうひとつの「上流階級ドラマ」
・悩める40代、エリート医師たちはどんな人生を選択するのだろう?
・自分が属するステータスを表す「住まい」
・チョンセの起源とその功罪

第一章 小説と映画、それぞれの凄絶『82年生まれ、キム・ジヨン』――憑依する「恨」、フェミニズムの時差と逆転、母は清渓川で働いていた
第二章 成長物語としての、ドラマ『サイコだけど大丈夫』――治癒のための韓国料理、家族と戦争のトラウマ、「クレメンタインの歌」の謎
第三章 北朝鮮の人々は『愛の不時着』を見たのだろうか?――北朝鮮における韓流、過去と現在
第四章 韓国ドラマ・映画と北朝鮮――「北のヒーロー」、その系譜 映画『南部軍』からドラマ『愛の不時着』まで
第五章 『梨泰院クラス』(1)――ダイバーシティとしての梨泰院 レインボーカラーが交差する街で見た夢
第六章 『梨泰院クラス』(2)――基地の街から外国人労働者の街へ 私にとっての梨泰院
第七章 映画『ミナリ』――これまでとは少し違った「韓国系移民の物語」 受賞の喜びと、さまざまな感想
第八章 光州は世界をつなげる――パク・ソルメ著『もう死んでいる十二人の女たちと』と映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』、そして白竜、高橋悠治、富山妙子の世界へ
第九章 韓国の財閥とは?――ドラマ『Mine』から、そのリアルに迫る
第一〇章 なぜ、ドラマ『SKYキャッスル』が韓国を知るうえで重要と言われるのか?――「上流階級の妻たち」がモンスター化する、その理由
第一一章 『賢い医師生活』で知る、韓国の人々の幸福感や倫理観――頑張ってきた自分は、次は何に頑張ればいいのだろう?
第一二章 チョンセと再開発――不動産階級社会としての韓国 ドラマ『賢い医師生活』、映画『パラサイト 半地下の家族』、小説『こびとが打ち上げた小さなボール』、小説『野蛮なアリスさん』
おわりに、『イカゲーム』のことなど