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著者:十朱 幸代

あらすじ・概要

芸能生活60年を迎えて、ますます輝く、日本の映画・TV・演劇界を代表する女優・十朱幸代の初の自叙伝。
若くして黎明期のテレビ界に飛びこみ、絶大な人気を誇って以来、ずっと演じることを第一に生きてきた彼女。
その、青春、昭和のスタアたちとの交友、熱く枯れない芝居への想い、病との闘い、そして数々噂されてきた恋の真実とは……¡?
死亡説も流れたほどの大手術を経て、75歳を迎えた今思う「孤独と自由の楽しみ方」、「美と健康のための秘訣」など、人生100年時代の知恵も充実。
今だから明かせる話が満載! 「ひたむきな女」の生き方を、瑞々しく記した一冊。

●この本の見どころ
・豊富な写真と文章で昭和~平成のテレビ界、映画界、演劇界とその内幕が体感できる
・「私」と「恋」と「結婚」と。取捨選択に悩む女性の姿は、世代を超えて共感!
・「みんな最後はひとり」。人生100年時代を明るく生きるヒントと勇気が湧いてくる
・あの人とのことは……真実? 気になる恋愛、ビビッドな思い出を、初めて自分の言葉で振り返る


十朱幸代 1942年11月23日東京・日本橋生まれ 俳優・十朱久雄と、母・光子との間に生まれる。中学生でモデルを初め、見学に訪れたNHKでスカウトされ、『バス通り裏』の「元子」役に抜擢。以降、テレビ、映画、舞台、ラジオに活躍。
小坂一也氏との事実婚と別れを端緒として、華やかな恋と結婚の噂は常に話題の的となる。
1980年「第23回ブルーリボン賞・主演女優賞」受賞、2001年度「第27回菊田一夫演劇賞・大賞」受賞
1984~1996年「日本アカデミー賞優秀主演女優賞」4度にわたり受賞。

2014年「旭日小綬章」受章

1章 「バス通り裏」の青春
2章 駆け出し女優
3章 ひとつひとつ階段を上る
4章 脱皮
5章 ひたむきに愛して悩んで
6章 痛みと怖れに勝利
7章 自由と孤独を愛して


☆〈2章 駆け出し女優〉本文より(一部略)
初めて裕次郎さんの相手役で、一緒に映画に出させていただいたとき。
石原慎太郎さんのヨットをお借りして、ヨットでの撮影がありました。
油壺から沖に出て一日中撮影です。
待ち時間もすべて、ヨットで過ごすほかありません。しかも女性キャストは私ひとり。
心細い気持ちで船室でメイク直しをしていたら、通りかかった裕次郎さんが、
「強いなあ。こんな揺れるところでよくできるね! 」
と、まるで友だちみたいにフランクに話しかけてくださって。
気分がパァッと明るくなりました。
何しろ大、大、大スタアの裕ちゃんでしたが、本当に気持ちのいい方なんです。
誰に聞いても、裕ちゃんのことは嬉しそうに話すんですよね。
みんな、裕ちゃんのことが大好きでした。