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集英社オレンジ文庫

ガーデン・オブ・フェアリーテイル造園家と緑を枯らす少女

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著者

著者:東堂 燦装画:友風子

あらすじ・概要

撫子は薔薇の木に手を伸ばした。
ー血に塗れたように赤い、呪われた手を。


花や草木に触れると、枯れてしまう手を持つ少女に与えられた猶予。
黒いレースの手袋が、撫子の手を覆った。

「大人になるまで時間をあげる。その間に呪いを解くことができたら、
この魔法は本物になって、お前は花々に愛されるだろう」
「呪いが、解けなかったら?」

それは十年も昔のお伽話(フェアリーテイル)。

父の死後、19歳になった撫子は知らぬ間に自分が結婚していたことを知る。
結婚相手だという花織が住まうのは人里離れた土地。
「ーー庭と妖精のこと、承ります」怪しげな看板に誘われるように進んだ先にあったのは、
思わず息を呑むほど美しい花と緑に囲まれた庭園だった。
その先の丘の上には、洋館……。
花織の本業は造園家だが、昔から妖精に呪われた人やモノに纏わる厄介事を解決しているという。

撫子の前に次々に現われるのは、謎めいた縁者たち。
呪いに苦しむ依頼者、そしていっこうに姿を表さない花織……。
謎が謎を呼ぶ緑萌える庭園で、撫子を待っていた衝撃の真実とは! ?

触れたらきっと、この恋は朽ちてしまう……
妖精の呪いと、いにしえの恋。そして"人の想い"が紡ぐーー幻想ミステリー。
背筋が凍るほど美しい……
切ない結末に涙!