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集英社新書
「天皇機関説」事件
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あらすじ・概要
天皇を神格化する政治家と右翼組織が結びつき、事件は起こったーー。
機能停止に陥った「立憲主義」「言論の自由」「個人主義」……
「天皇機関説」事件は、この学説を主張する憲法学者の美濃部達吉への、天皇を崇拝する退役軍人や右派政治家の攻撃が発端となっている。一九三五年二月に始まり、約半年にわたる「機関説」排撃運動の中で、美濃部に対する政治的な弾圧が行われただけでなく、言論や学問の自由も奪われ、立憲主義が事実上停止した。その結果、「権力の暴走」を止める安全装置が失われ、日本は破局的な戦争へと突き進む。
この事件は、社会がどのように「壊れて」いくのかを物語る昭和史の重要な分岐点である。現在の政治・社会状況との類似点の多さに戦慄が走る……!
[著者情報]
山崎雅弘(やまざき まさひろ)
一九六七年、大阪府生まれ。戦史・紛争史研究家。二〇一六年七月に刊行した『日本会議 戦前回帰への情念』(集英社新書)で、大手メディアが報じてこなかった同組織と政権の関わりや、改憲に向けた活動の詳細を明らかにし、注目を浴びる。このほか、『戦前回帰 「大日本病」の再発』(学研プラス)、『5つの戦争から読みとく日本近現代史ー日本人として知っておきたい100年の歩み』(ダイヤモンド社)など、著書多数。