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スーツアクターの矜恃
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あらすじ・概要
わずかな視界しか確保できない面をつけ、危険なアクションをこなし、感情まで表現する。
そんな特撮の真の主役、スーツアクターの世界を知れば、作品の見方が一変する。
歴史と秘話、海外との比較、待遇問題など、全方位から考察を展開するスーツアクター論。
総勢50人以上への長期取材と膨大な資料に基づく分析にとどまらず、『月光仮面』の大瀬康一、『ウルトラマン』の古谷敏、『仮面ライダー』の藤岡弘、をはじめ、新旧人気スーツアクターや関係者18人へのインタビューを掲載。「神回」を紹介するコラムも見どころ。
【目次より抜粋】
第一部 スーツアクターが注目される時代
第1章 もはや「中の人」ではない
「ざわつき」の震源はスーツアクター/その役に代理はいない
第2章 ハリウッドでさえ再現不可能
「カッコよさ」に国境はない/日本のヒーローがハリウッドに影響を及ぼす
インタビュー
大瀬康一/古谷敏/藤岡弘、
第二部 スーツアクターの確立
第3章 着ぐるみアクションの源流
ゴジラから受け継ぐ着ぐるみの演技/初めての巨大ヒーローを演じる
第4章 ヒーローの様式を築く大野剣友会
危険ゆえ惹きつけるアクション/「できません」が許されない現場
第5章 主役の集団化とJACの台頭
キャラクターを演じるために生まれてきた男/エスカレートを続けるアクション
第6章 完成へ向かう特撮アクション
熱演が波及する/人間離れした身体性はどこから
インタビュー
中屋敷哲也/岡田勝/岡元次郎/富永研司/高岩成二/浅井宏輔/縄田雄哉
第三部 スーツアクターを論じる
第7章 余人をもって代え難い特殊技能
表情のない面で感情を表現する/女性より女性らしい「女形」の極意
第8章 アクションを創る人
アクション監督・山岡淳二の功績/カメラマン・いのくままさおの技巧
第9章 演者たちの意識
影の立役者「兵隊」たち/正当に評価されるべき「国宝級」技能
第10章 本当の主役は誰か
然るべき「扱い」を/世界に誇る、もう一つの文化
インタビュー
坂本浩一/金田治/春田純一/喜多川2tom/蜂須賀祐一/福沢博文/和田三四郎/新堀和男
【著者略歴】
鈴木美潮(すずき・みしお) 1964年生まれ。読売新聞東京本社教育ネットワーク事務局専門委員。法政大学を経てボストン大学卒。88年、ノースウエスタン大学大学院にて修士号(政治学)取得。89年、読売新聞社入社。政治部、文化部などを経て現職。
日本テレビ「イブニングプレス donna」などに出演。特撮関係者を招くイベント「340 Presents」を2003年から主催。著書に『昭和特撮文化概論 ヒーローたちの戦いは報われたか』(集英社クリエイティブ 2015年、集英社文庫 2019年)など。