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集英社新書
最後の文人 石川淳の世界
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あらすじ・概要
グローバリズムと新自由主義が世界を制覇しつつある今日、人々の自由はむしろ制限されつつあり、閉塞感や分断が拡大している。今、なぜ石川淳なのか? この孤高の作家を読み解くキーワードは「自由」。古今東西の書物世界を軽快な「精神の運動」で往還した石川の姿勢は知的自由の体現であった。だから、多くの知識人が戦時体制になびいた時代にも、石川は黙らなかった。かくして作品の発禁後、石川は自由を求め江戸の世界に向かう。石川作品には不自由に抗する不服従の精神が刻まれている。本書は5名の識者の解説を通じ、その作品と「絶対自由」の世界に誘う。
はじめに――今、なぜ、石川淳か? 山口俊雄
第一章 絶対自由を生きる 田中優子
第二章 石川淳の〈江戸〉をどう見るか 小林ふみ子
第三章 石川淳『狂風記』論――〈江戸〉がつなぐもの 帆苅基生
第四章 石川淳流〈不服従の作法〉――「マルスの歌」 山口俊雄
第五章 たとえば「文学」、たとえば「佳人」――総合的石川淳論の方へ 鈴木貞美
読書リスト 石川淳作品一二選
おわりに
参考文献
執筆者略歴