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集英社学芸単行本

トルコ 中東情勢のカギをにぎる国

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著者

著:内藤正典

あらすじ・概要

IS、シリア、イラク、難民問題…混乱を解決できるのは、中東唯一の民主国家トルコしかない! 混迷を極める中東情勢。その中で唯一民主主義を実現した国、トルコ。トルコを知ることで中東の未来が見えてくる。著者は中東政治研究、イスラム系移民研究の第一人者。「トルコという国は、文字通り、ヨーロッパとイスラム世界の接点に位置しているために、一連の激震から逃れることはできなかった。東からはイラク戦争の余波でクルド問題が再燃し、南からはシリア難民が押し寄せた。アメリカを含めて西からは、テロとの戦争に参加しろ、「イスラム国」に厳しく対処しろと厳しい圧力がかかった。そのさなかに民主化を進め、同盟国の圧力をかわしながら戦争に巻き込まれないために最大限の努力をし、世界の虐げられたムスリムに向けて希望のメッセージを発し続けている。それが二一世紀に入って以降のトルコである。」(本文より)

はじめに いまなぜ、トルコか(中東崩壊の危機のなかで唯一の民主化に成功した国
イスラム的公正を内外に示す
「イスラム国」を手玉にとる)
第一章 トルコの近代化と脱イスラム(トルコ共和国の誕生
政教分離の難しさ
世界でも稀有なトルコ軍の地位
PKKとの戦い)
第二章 トルコの再イスラム化(イスラムが強くなると、ナショナリズムは弱くなる
支配民族のいなかったオスマン帝国
似て非なるイスラム
公正・発展党の政策のどこがイスラム的だったか
住宅問題の「イスラム的」解決)
第三章 ヒズメト運動(草の根型のイスラム互助運動はなぜ政権と衝突したのか
ヒズメト運動とは何か
ヒズメト運動が変えたもの)
第四章 トルコと西欧諸国の関係(西欧化の呪縛
なぜ、アメリカの戦争につきあわないのか
トルコ軍がタリバンの攻撃を受けなかったわけ
イラク戦争にも参戦しなかった軍
トルコは、なぜEUに入ろうとしたか
アジアかヨーロッパか
なぜヨーロッパになりきれないのか
上からの西洋化改革
EU加盟交渉の紆余曲折
九・一一後のEUとの関係
EU加盟の強迫観念は消えた)
第五章 トルコと周辺諸国の関係(エジプトの革命と反革命
アラブ諸国の対応
アサド政権への批判
トルコとシリアの深い関係
イラク分裂はトルコにとってもっとも深刻な危機
「イスラム国」の台頭
邦人人質事件
トルコ総選挙
エルドアン大統領の強権化に対する批判
HDPの躍進が意味するもの
ついに事態が動いた
トルコ分裂の危機
中東大混乱が、トルコに新たな活力を吹き込む
新たな国家へ
おわりに