2024.07.16
縦読み漫画アプリ「ジャンプTOON」創刊
若い世代をはじめ、新たな読者層も獲得中
5月29日に創刊した「ジャンプTOON」は、ジャンプグループとして初の縦読み漫画アプリです。縦読み漫画は、スマートフォンの普及とともに広まった、縦スクロールで読み進めるフルカラーのデジタルコミックスです。
最大の魅力は、読み間違いが少ないこと。上から下に順番にコマを読み進めればいいので、旧来の見開き型漫画に慣れていない若い世代や海外の読者にも、スムーズに読んでいただくことができます。加えてフルカラーのため、漫画よりアニメに親しんでいる方にも違和感なく入り込んでいただけるのが特徴です。
「ジャンプ」ブランドでリリースする理由
アプリをローンチするにあたり「ジャンプ」の名前を冠したのには理由があります。2023年の紙と電子を合算したコミック市場は、6937億円(公益社団法人全国出版協会・出版科学研究所の発表)。4年連続過去最高を更新しています。出版社以外の企業も続々と漫画サービスに参入しており、作家が直接、さまざまなプラットフォームから漫画を発表することも可能です。多様な漫画文化が育っていることは非常に喜ばしいことですが、多くの作品が流通している中で、「読まれること」「気づかれること」のハードルが上がっているのも実情です。
そこで、「ジャンプ」のブランド力、総合出版社である集英社が持つプロモーションの知見を生かすことで、魅力的な縦読み漫画を広く世の中に送り出していきたい、そして、才能ある新人作家との出会いを増やし、強力にバックアップしていきたいと考えています。アプリには作品ごと、話ごとに漫画を販売する「書店」の機能もありますが、まだ知らない漫画に触れてもらうための設計にも力を入れています。好きな漫画を読むために手に取った雑誌で、まだ見ぬ新たな漫画と出会う……。雑誌を1冊丸ごと楽しんでもらいたいと願う「ジャンプ」の信念が、アプリにも継承されているのです。
多様なジャンルの連載、人気作品のタテカラー版も配信
少年・男性向け漫画だけではなく、少女・女性向けタイトルも掲載し、幅広いジャンルの作品をラインアップしているのも特長です。ローンチ以来、35本のオリジナル連載漫画を掲載(2024年7月現在)し、毎日5作品以上を更新。今後も新連載を随時開始していきます。また、縦読み漫画を読んだことがない人にも興味を持っていただけるよう、古館春一・著『ハイキュー!!』など、横読みの既存「ジャンプ」グループ人気4作品のタテカラー版を配信。多様性のある作品を揃えることで、読者の選択肢を広げました。
間口を広げることで漫画文化の裾野を広げたい
「ジャンプTOON」が目指しているのは、漫画に触れる人の数を増やすことです。紙には紙の、電子版には電子版の魅力があるように、横読みにも縦読みにも、手に取りやすさや好みは人それぞれあるはずです。漫画に触れられる間口を増やすことで、さらに多くの人に漫画のおもしろさを知っていただきたいと考えています。
また、読者が増えることは描き手が増えることにも繋がります。「ジャンプTOON」と同時にスタートした縦読み漫画投稿サービス「ジャンプTOON NEXT!」には、すでに多くの作品が寄せられており、縦読み漫画の潜在的な描き手の多さが明らかになりました。これからも作家のクリエイティビティを最優先し、新しい表現を追求し続けます。いつか“「ジャンプTOON」らしさ”が醸成されることを目指して。新たな読書体験に、ぜひご期待ください。