2024.12.18
デジタルマンガの市場を変えた! マンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」が10周年
“世界一新作が読める”プラットフォーム
集英社が運営するマンガ誌アプリ「少年ジャンプ+」は、2024年9月22日で10周年を迎えました。ダウンロード数は2900万(2024年11月時点)、月間ユーザー数はアプリとブラウザを足して1200万以上。70本以上のオリジナル連載マンガを毎日無料で更新し、年間約300本の新作読切も公開している、“世界一新作が読める”マンガ誌アプリです。
2014年の創刊当時は、スマートフォン向けの媒体にマンガを描き下ろしてくれる作家が少なく、新サービスのため読者もゼロからのスタート。専任の編集者はたった3人という厳しい船出でした。ところが『カラダ探し』(ウェルザード・村瀬克俊・著)のヒットををきっかけに、徐々に読者や作家からの注目度がUP。今や国民的ヒット作となった『SPY×FAMILY』(遠藤達哉・著)、『怪獣8号』(松本直也・著)、『タコピーの原罪』(タイザン5・著)の3作が躍進の鍵となりました。
業界初!「初回全話無料」の画期的サービス
「少年ジャンプ+」の特徴は大きく3つ。ひとつ目は、連載中のオリジナル作品が初回全話無料で読めること。2019年4月にこの機能をスタートさせると、同時期に連載が開始された『SPY×FAMILY』をはじめ、『怪獣8号』や『ダンダダン』(龍幸伸・著)が続々とヒットしました。
特に初回全話無料の効果が発揮されたのが『タコピーの原罪』。最新話が更新されるたびにSNSで大反響を巻き起こし、1日で100万以上の閲覧数を記録。マンガアプリ業界でエポックメイキングな出来事になりました。
連載の最新話をリアルタイムで追いかけていくライブ感は連載マンガの魅力のひとつ。初回全話無料に踏み切った背景には、「ひとりでも多くの人に最新話に追いついて楽しんでもらいたい」との思いがあったのです。
作家からも好評の投稿サービスと読切作品の強化
ふたつ目の特徴は、誰でもマンガを投稿、公開できるサービス「ジャンプルーキー!」の存在。デジタルマンガの才能を発掘・育成し、新たなヒット作を生み出すべく、ジャンプ+編集部の運営でオープンしました。『タコピーの原罪』のタイザン5氏は「ジャンプルーキー!」への投稿が連載デビューのきっかけ。ほかにも多くの才能が「ジャンプルーキー!」から生まれています。
3つ目は、読切作品の圧倒的な量。年間約300本、ほぼ毎日新作を掲載していて、『ルックバック』(著・藤本タツキ)など、大変な反響を呼ぶ作品も生まれています。読切作品は単行本にしづらいため、発表の場も多くありません。そんななか、創刊時から積極的に力を入れたことで、新人や若手作家から“チャレンジの場”として認識いただけるようになり、結果的に、読切作品の多さが「少年ジャンプ+」の強みとなったのです。
10周年を記念した「少年ジャンプ+展」
2025年4月には東京・天王洲の寺田倉庫にて「少年ジャンプ+展」の開催を決定。イラストや映像、造作物の展示を通して、デジタルの世界をリアルに体感できるイベントです。ほかにも10周年を記念したマンガ賞、ラジオ番組など10大企画を展開中です。
創刊当時3人だった編集部員も今や15人に。『忘却バッテリー』(みかわ絵子・著)のようなスポーツマンガから、高校生の日常を切り取った『ふつうの軽音部』(原作・クワハリ 作画・出内テツオ)まで、ジャンルの幅も広がるばかりです。
また連載作の多くが、「MANGA Plus by SHUEISHA』により、多言語で世界中(日本・韓国・中国を除く)にサイマル配信されており、あらゆる地域の読者に読んでいただけるように努めています。
編集部が目指すのは、最新話が毎回1000万人に読んでもらえる作品を生み出すこと。「『少年ジャンプ+』を開けば何かおもしろいことがある」と思っていただけるよう、これからも新しい作品を生み出すことをミッションに掲げて、サービスを強化してまいります。