2022.04.15
“セブンティーン推し”を創出すべく進化する、新しい「Seventeen」
時代のニーズに合わせて変容してきた「Seventeen」
集英社にとって女性誌の草分けである「Seventeen」は、女子中高生のバイブルとして高い人気を誇ってきたファッション誌。これまで専属モデルには北川景子や鈴木えみ、榮倉奈々、桐谷美玲、本田翼、水原希子、中条あやみ、広瀬すず、永野芽郁らが名を連ね、現在は乃木坂46の久保史緒里や日向坂46の小坂菜緒が活躍するなど、芸能界の登竜門として注目を集めています。
専属モデルの魅力を積極的に発信
主に力を入れているのはSNS。基本的にはTwitter、Instagram、TikTok、YouTubeで発信し、「Seventeen」のウェブサイトは、それらをすべて集約する場所として機能しています。インターネット検索ではなく、SNSのハッシュタグで情報収集をする読者世代には、雑誌のようにあらゆる情報が網羅された“デパート”よりも、欲しい情報だけが手に入る“専門店”が求められているため、Instagramはファッション・メイク・その他とジャンルを独立させ、3つのアカウントで発信しています。毎週金曜日の20時にはInstagramとYouTubeで生配信をし、モデルと読者が直接コメントを通してやりとりできる双方向のコミュニケーションの場を設けています。
ファッションやメイク、美容や恋愛など、発信する内容は月刊誌時代と大きな変化はありませんが、こだわっているのは「モデル発信」であること。編集部が一方的にトレンドを発信するのではなく、モデルに「どう着たいか?」などをヒアリングしています。実際、膝上20cm以上の超ミニ丈を着こなすのがうまい久間田琳加(2022年3月卒業)の“りんか丈”は、彼女の代名詞として認知されるようになったほど。この発信の仕方は、それぞれのモデルの強みを発掘するとともに、モデルのファン層を広げることにもつながっています。
ファンを熱狂させた『舞台 Bling Bling by Seventeen』
2022年3月24、25日には『舞台 Bling Bling by Seventeen』を開催するなど、まったく新しいジャンルにも挑戦しています。「Seventeen」のテーマソングを作ることからスタートしたこの企画は、読者から募った友情のエピソードを元にアーティストの三阪咲さんが作詞。このテーマソングをベースに、「集英社オレンジ文庫」編集部の協力のもと青春小説 『Bling Blingダンス部女子の100日革命!』(相羽鈴・著)を発刊しました。これを舞台化し、田鍋梨々花や秋田汐梨ら現役セブンティーンモデルがダンスと演技を披露。多くのファンを熱狂させたのです。
もちろん、SNSではモデルたちがお芝居やダンスの稽古に挑戦する様子も逐一発信。恵まれたスタイルとルックスのSeventeenモデルたちが、うまく芝居ができないことに悩み、居残りでダンスの練習をし、泣きながら課題をクリアしていく過程を見せたことで、足を運んだ読者の中には涙を流す人が続出。そうして感情を大きく深く揺さぶることで、モデルのファンになってもらうだけでなく、「また“Seventeenのイベント”に行けば感動できる」という熱狂的な“セブンティーン推し”を増やしていくことを目標としています。
信頼感こそ「Seventeen」の強み
デジタルをメインとする新体制に生まれ変わった「Seventeen」ですが、華やかな集合ショットや、引きで風景を入れた雰囲気のある写真が掲載できるなど、紙ならではの表現の良さも生かすべく、年に3〜4回冊の紙版の発行も継続しています。モデルの美しいビジュアルを活かした企画はもちろん、著名人のインタビューなど、形として残しておきたいという保存欲求を満たす誌面作りを目指しています。
数多くの情報が錯綜する玉石混淆のデジタル社会において、総合出版社である集英社の発信情報には「信頼感」が伴うことがメリット。ファッションやビューティはもちろん、進路や友情に悩んでいるティーンの悩みを丁寧にすくい取る方針は、発信する方法が変化しても変わることはありません。「『Seventeen』が発信するなら間違いない」。そう思ってもらえるメディアであり続けるために、今後も「Seventeen」は読者と真摯に向き合っていきます。