私の仕事紹介
『用紙がなければ、すべての出版物は出版できない。』
資材部はこの言葉のために存在している部署です。①作品に適した用紙を提案する。②適切な価格で仕入れる。③発売日に発売するために用紙を印刷所に納入する。大きく分けて、この3つの仕事に日々奮闘しています。
とくに③の仕事は、責任重大です。集英社から発行される本すべての用紙を資材部が手配しています。作家→編集→制作→印刷所と渡されてきた原稿は、もし用紙がなければ、本という形にはなりません。楽しみにしてくれている読者に届かないことは、決してあってはいけません! そのために紙パルプ専門商社と日々情報交換を行ない、想定されるアクシデントに対してリスクヘッジをし、ときには製紙メーカーとも直接交渉をしています。
胸が高鳴る仕事!
『キングダム完全版』
コミックス1億部突破記念として、コミックス40巻までの内容を20冊に再編集し、2024年3月より毎月2冊ずつ刊行する特別企画です。この企画に携われることは非常に光栄であり、同時にとても身が引き締まる思いでした。失敗はできません。
資材担当としてクリアしないといけない課題は大きく2つでした。①本文用紙は、カラー再現ができ、読みやすく、大量調達可能であること。②カバー表紙用紙は、加工がしやく質感や風合いがある黒色の紙であること。
本に使える用紙はたくさんあります。しかし、条件を満たす用紙はなかなか見つかりません。事前にデザイナーの成見紀子さんからのご希望もお伺いしながら探した結果、やっと適した用紙を見つけることができました。デザイン打合せにも出席し、成見さんにもご納得いただきました。採用が決まったときはうれしかったですね。
そして何より胸が高鳴ったのは、出来上がった本をご覧になった著者の原先生がとても気に入ってくださったと、担当編集から聞いたときでした。
また、巻末に担当者全員の名前を入れてもらえたのですが、歴史に残る名作に自分の名前が載ったことは、感動でした。子どもたちに自慢できました!(笑)