書誌情報
集英社文庫(日本)
家族のあしあと
著者
あらすじ・概要
父がいた。母がいた。きょうだいがいた。
大家族で過ごした幼少期の思い出。明るくも胸をうつシーナ的私小説。
戦後の気配がまだ色濃い時代、千葉の幕張に引っ越してきた大家族の椎名家。小さな生き物が息づく干潟が広がる土地で「ぼく」は小学生になった。豊かな自然のなかを飛びまわり、家には4人のきょうだいたちがいて食卓はいつも賑やかだった。そんな当たり前の幸せな毎日だけど、我が家にはフクザツな事情が隠されていて……記憶をたどりながら、あたたかくも脆い「家族」の風景を綴ったシーナ的私小説。