書誌情報
集英社文庫(海外)
ポケットマスターピース08スティーヴンソン
著者
あらすじ・概要
快楽と欲望の権化、それがもうひとりの私。
薬で二重人格化した男の苦悩を描いた怪奇小説『ジーキル博士とハイド氏』ほか、冒険・心理小説、紀行文と幅広いジャンルで活躍したスティーヴンソン。その厳選10編を新訳で紹介!
傑出した物語作者は今もなお我々を魅了する(解説/辻原登)
辻原登=編
編集協力=中和彩子
【収録内容】
ジーキル博士とハイド氏/自殺クラブ/嘘の顛末/ある古謡/死体泥棒/メリー・メン声の島/ファレサーの浜/寓話(抄) /驢馬との旅
解説 辻原登
作品解題 大久保譲/中和彩子/吉野由起
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著者について
スティーヴンソン,ロバート・ルイス
1850.11.13-1894.12.3。イギリス(スコットランド)の小説家。著名な灯台建築技師一族の一人としてエディンバラに生まれる。大学在学中から文学を志し、フランスやアメリカで過ごした後、少年向け小説『宝島』が評判を呼んで、冒険ロマンスの第一人者と目されるようになった。『ジーキル博士とハイド氏』もベストセラーになり、現在に到るまで大きな影響を及ぼす。晩年は南太平洋に渡り、家族とともにサモアに居を構えて、同地で没した。常に病魔と闘い続け、旅に明け暮れた短い生涯の中で、小説、詩、紀行文、エッセイなど幅広いジャンルの作品を数多く残している。辻原登(つじはら・のぼる)1945年和歌山県生まれ。小説家。90年『村の名前』(文藝春秋、のち文春文庫)で芥川賞、99年『翔べ麒麟』(読売新聞社、のち文春文庫、角川文庫)で読売文学賞、2000年『遊動亭円木』(文藝春秋、のち文春文庫)で谷崎潤一郎賞、10年『許されざる者』(毎日新聞社、のち集英社文庫)で毎日芸術賞を受賞。中和彩子(なかわ・あやこ)1969年埼玉県生まれ。東京大学大学院人文社会系研究科博士課程中退。現在、法政大学国際文化学部教授。専門はイギリス小説研究。共著書に『ディケンズ文学における暴力とその変奏――生誕二百年記念』(大阪教育図書)、『モダニズム時代再考』(中央大学出版部)、訳書にウォーナー『フォーチュン氏の楽園』(新人物往来社)。