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小説/戯曲
若葉の宿
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あらすじ・概要
京都の小さな町家旅館・山吹屋に生まれた夏目若葉は、父を知らず、母も幼い頃に失踪したため、祖父母に育てられた。旧来のスタイルを守り続ける山吹屋は、グローバル化の波が押し寄せるなかで、年老いた祖父母の手で細々と経営が続けられていた。旅館を継ぐ決心がつかないまま20歳を過ぎた若葉は、祖父の伝手により、老舗の大旅館で新米の仲居として修業を始める。一方、中学からの親友・紗良は、芸妓を志す。失敗を繰り返しながらも仕事を覚えていく若葉は、先輩からの厳しい叱責に戸惑い続ける日々を送っていた。そんなある日、山吹屋に買収の話が持ちかけられる。さらに、若葉が勤める大旅館にも激震が……。
京都を舞台に仲居として働く女性の揺れる心情を描く、小説すばる新人賞受賞第一作。
【著者略歴】
中村 理聖(なかむら りさと)
1986年福井県生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。2014年、「砂漠の青がとける夜」で第27回小説すばる新人賞を受賞してデビュー。本作が受賞第一作。