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ぼくがアメリカ人をやめたワケ

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あらすじ・概要

青年は「世界最高にして最強の故郷アメリカ」をなぜ捨てたのか? ロシア語を学びソ連、東欧を経て、日本に辿りつき、ついには国籍を捨てオーストラリア人になった作家の回顧録・エッセイ。
・ホロコーストから逃げ延びたユダヤ人を祖先にもつ自分のルーツ。
・ケネディ時代からトランプに至るアメリカの真実。
・白豪主義の色濃く残った70年代から現代にいたるオーストラリアとオーストラリア人。
・1960年代から現在まで、50年にわたる日本と日本人の姿。
などをテーマに、宮沢賢治、石川啄木への熱い情熱、そして、井上ひさし、アンジェイ・ワイダ、大島渚、坂本龍一らとのエピソードを交えながらダイナミックに描いていく。


【著者略歴】
ロジャー・パルバース
作家、翻訳家、演出家。東京工業大学名誉教授。1944年、ニューヨーク生まれ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)を卒業後、65年ハーバード大学大学院で修士号を取得。1967年に初来日。長篇小説や短篇集、戯曲、随筆集多くの著作を出版、上演している。76年オーストラリア国籍取得。『STAR SAND―星砂物語―』では、映画監督を務める。『もし、日本という国がなかったら』(集英社インターナショナル)、『驚くべき日本語』(集英社文庫)など著書多数。

大沢章子(おおさわ あきこ)
翻訳家。兵庫県出身。大阪大学人間科学部卒業。訳書に、R・M・サポルスキー『サルなりに思い出す事など 神経科学者がヒヒと暮らした奇天烈な日々』(みすず書房)、ジャロン・ラニアー『今すぐソーシャルメディアのアカウントを削除すべき10の理由』(亜紀書房)などがある。

【目次より】(抜粋)
第1章 グラスの縁に腰掛けているような人生
15万ドルの「大略奪」/両足を失った祖父を受け入れてくれたアメリカ/映画監督アンジェイ・ワイダとの出会い/アメリカ人の若者が見たソ連/コンドームはこれで十分でしょ?
第2章 ぼくはアメリカ人をやめた
星条旗と神のもとにある一つの国/一九六〇年民主党全国大会/アボリジニたちの苦難
第3章 ぼくの中の日本人
古風な日本、好戦的な日本、管理社会日本/新人類の出現とバブルの崩壊/巨大地震と神経ガス攻撃/風俗喜劇だった小津映画
第4章 対岸の火事
差し出された『戦メリ』のパンフレット/もう一つの『戦場にかける橋』/東北は半自治区になるべきだ/賢治に学ぶ日本のターニングポイント/組織ぐるみの無責任――忖度
第5章 賢治の網
大島渚の考える戦争責任/日本国憲法に男女同権を書き入れた女性/本物の銀河鉄道/啄木の和歌を訳すという至福/坂本龍一と福島
第6章 ぼく中のアメリカ人
ベトナム・シンドローム/アメリカには常に悪魔が必要だ/人生の小道――京都で「間」を体験する